【産廃分析】水道基準の一部改正について-PFAS(ピーファス)関連について-

水道基準の一部改正について(PFAS関連について)
水道水における水質基準項目に「PFOS及びPFOA」が加わることが、2025年6月の改正省令にて公布されています。基準値は「0.00005mg/L以下」(PFOSとPFOAの合算値)となります。2026年4月1日より施行となります。
また公共用水や地下水についても、暫定的な指針値として50ng/L(PFOSとPFOAの合算値)がありましたが、こちらも2025年6月の通知にて、「0.00005mg/L(PFOSとPFOAの合算値)」が正式な指針値となることを明示しています。更に「PFOS及びPFOA」が公共用水域と地下水の要監視項目に加わっています。今後は法令等の改正に伴い、正式な基準値等が規定される可能性が高いと思われます。
今回は、水道水の水質基準の改正にまつわることについて解説します。
※公共用水域・地下水の暫定指針値の50ng/Lと指針値の0.00005mg/Lは同値です。
PFAS(PFOS・PFOA)について
今回新たに基準値が規定されたPFOS(ピーフォス)及びPFOA(ピーフォア)を含むPFAS(ピーファス)とはどのようなものなのか、解説します。
PFASとは有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物の総称となります。ダイオキシン類(DXN類)やアスベスト(石綿)のように、複数の物質群の総称であり、単一の物質を指すものではありません。分類の仕方にもよりますが、PFASには1万種類以上の物質があると考えられています。PFOS及びPFOAはPFASの一種で、かつて幅広い用途で使用されていました。
PFOS(ピーフォス):ペルフルオロオクタンスルホン酸
- 半導体用反射防止剤、レジスト(電子回路基板を製造する際に表面に塗る薬剤)
- 金属メッキ処理剤
- 泡消火薬剤 などに使用
PFOA(ピーフォア):ペルフルオロオクタン酸
- フッ素ポリマー加工助剤(他のフッ素化合物を製造する際に、化学反応を促進させるために添加する薬剤)
- 界面活性剤 などに使用
PFAS(ピーファス)の特徴と危険性について
PFASはいずれも強く安定した炭素-フッ素結合を持っており、加水分解・光分解・微生物分解及び代謝などに耐性があります。種類によっては撥水性や撥油性を有するものや、熱安定性や化学的安定性を有するものもあり、非常に利便性の高い物質です。そのため2000年代初頭まで、多くの製品・加工に使用されてきました。
しかし近年、生物への影響も確認され、その有毒性について注目されるようになりました。日本でも環境省が主体の全国的な調査が行われています。発がん性の有無については国外と国内では見解が異なっており、WHOの国際がん研究機関(IARC)は、PFOAを「発がん性がある(Group 1)」、PFOSを「発がん性の可能性あり(Group 2B)」と評価している一方、国内では明確な見解が示されていません。
またPFSAは以下のような特徴があり、製造・放出されたものが分解されず、何らかの形で長期間自然界に残り続ける可能性が高いとされています。
・難分解性:自然界で分解されにくく、環境中に長期間残留しうる
・高蓄積性:生物や土壌、水系に取り込まれて蓄積しやすい
・長距離移動性:水流や地下水などを通じて広がりうる
環境に残留したPFASは河川や地下水などを媒介に、広域に拡散する可能性があり、拡散すればするほど、人体への接種リスクが高まります。
上記のような健康影響や環境中への残留性の懸念から国際的に規制が進み、ストックホルム条約(POPs条約)にて廃絶等の対象物質となりました。国内でもそれに伴い、新たな製造・輸入等を原則禁止としています。また2022年にはPFOS・PFOAの代用品として利用されていたPFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)も対象に追加されています。国内でも2024年にPFHxSを新たに規制対象に追加しています。
最後に
今回は水道水の基準改正のみとなりますが、今後こちらの改正に伴い、公共用水、排水、土壌、産業廃棄物等の基準についても、新たに改正される可能性が考えられます。また、PFASの全容はいまだ不透明であり、PFOS・PFOA以外のPFASについても今後規制の対象になるものが出てくるかもしれません。
産業廃棄物に関しては、水処理に使用した活性炭から多くのPFOS・PFOAが溶出したなど、現行で想定されていない検出ケースも出てきています。基準値等の規制も含め、PFAS周りの動向は、今後も注視していく必要があると思われます。
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