【産廃分析】ダイオキシン類について

前回のコラムではPCBを取り上げました。今回はその流れでPCBとの関連のある有害物質、ダイオキシン類について取り上げたいと思います。
ダイオキシン類(DXN類)とは
ダイオキシン類(DXN類)とは、主に燃焼の過程にて自然に生成される、副生成物の総称です。「類」が表すように、単一の物質を指すのではなく、多種の物質の総称となります。一般的にDXN類というと、以下の物質群をまとめたものを指すことがほとんどです。
・ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)
・ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)
・コプラーナポリ塩化ビフェニル(コプラーナPCB)…PCBの異性体
DXN類の毒性:人体への影響
PCDDには約75種、PCDFには約135種、コプラーナPCBには14種の異性体があり、これらの異性体ごとに毒性が異なります。したがって、一言でDXN類と言っても内包する物質(異性体)によって毒性が異なり、単にDXN類が含まれているか・いないかのみで危険性を評価しづらいものとなります。
(DXN類が同じ量含まれている検体でも、毒性が強い物質が多数を占める場合と、毒性がほとんどない物質が多数を占める場合とでは、人体への影響は大きく異なります。)
DXN類の分析:毒性等量(TEQ)
そこでDXN類の分析は、含有量を調べると共に、「毒性等量(TEQ)」というものを算出します。毒性等量とは、DXN類の中で最も毒性の強い「2,3,7,8-TCDD」の毒性を1とした「毒性等価係数(TEF)」を用いて、各物質(異性体)の毒性を数値化し、それらの係数を用いてDXN類の量に対する毒性の強さを表したものとなります。TEFの具体的な数値は、以下のようになります。

※WHO-TEF(2006)による
最後に:DXN類の分析が必要な際は
TEQを用いることで、各検体が内包するDXN類の毒性をより正確に把握することができます。実際にDXN類に関する基準値の多くが、このTEQを用いた数値で規定されています。
【例】
土壌の環境基準:1000 pg-TEQ/g
産業廃棄物の基準:3 ng-TEQ/g
TEQを算出するためには、TEFのある物質(異性体)それぞれの実測値(含有濃度)を得る必要があり、算出のための計算等も必要となります。DXN類の分析自体が微量分析になる点も含め、機器的にも分析作業的にも高コストの分析となり、分析時間も他の項目に比べ長くなります。DXN類の分析が必要な案件では、分析に時間が掛かることを想定して計画する方がよいと思われます。
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