【産廃分析】産業廃棄物とは? その4:産業廃棄物の種類①

産業廃棄物の種類について

前回までは産廃を語るうえで重要な「廃棄物」の定義に触れてきました。今回からはいよいよ産廃について、より詳しく深掘していきます。

過去の解説コラムはこちらになります。

第一回:「産業廃棄物とは? その1:廃棄物と有価物
第二回:「産業廃棄物とは? その2:産業廃棄物と一般廃棄物 ①
第三回:「産業廃棄物とは? その3:産業廃棄物と一般廃棄物 ②

特別管理産業廃棄物

前回、一廃には「特別管理一般廃棄物(特管一廃)」というものがあることを説明しました。実は産廃の中にも同様の考え方がり、「特別管理産業廃棄物(特管産廃)」というものが存在します。

考え方としては、産廃の中には「特管産廃」と「普通の産廃」の2種類があり、「特管産廃」に該当しないものは全て「普通の産廃」として扱います。

特管産廃はその名の通り、通常のものではない特異な性状や危険な成分を含むものであることが多く、特殊な保管方法や特別な処理が必要になります。そのため処理に対応できる施設が限定され、普通の産廃を処分する際に比べ、手間やコストが増大する傾向にあります。

また処分の前から管理や運搬方法にも細かい規定がある場合もあり、その過程で違反があれば当然、排出者も責任を負うことになります。自社で発生する産廃が特管産廃であるかどうかを正しく認識することも非常に重要となります。

なお普通の産廃の処理業の許可と特管産廃の処理業の許可は別となります。どちらか一方の許可にてもう片方の処理を請け負うことはできないため、委託先の選定にはその点にも注意が必要です。

特管産廃の種類

特管産廃は具体的に以下の4種類に分類されます。

  1. 燃焼性の廃油
  2. 腐食性の廃酸、廃アルカリ
  3. 感染性産業廃棄物
  4. 特定有害産業廃棄物

④に関しては定義が複雑且つ対象となるものが多岐にわたるため、次回のコラムにて詳しく取り上げます。今回は①~③についてより詳しく取り上げます。

① 燃焼性の廃油

特管産廃に該当する廃油の定義は「燃焼しにくい廃油を除く廃油(燃焼性廃油)」としています。燃焼しにくい廃油を「タールピッチ類」、「揮発油類、灯油類及び軽油類を除いた廃油」の二つとしていますので、総括的に「揮発油類、灯油類、軽油類が廃油となったもの」が特管産廃の燃焼性廃油に該当すると言えます。

実はこの燃焼性を判断する方法等が規定されていないため、正式な引火点等の基準がないのですが、旧厚生省の通知等に、「引火点が70℃未満の廃油」といった考え方が示されたこともあり、この引火点が70℃未満という数値が指標となっていることが多いようです。

あくまで燃焼性廃油であるか否かを観点としていますので、こちらの「燃焼性の廃油」として特管産廃に該当するかの判断に、そのほかの要素は用いられません。例えば特定の有害物質が含まれている廃油であっても、燃焼性でなければ、ここでは特管産廃該当とは扱われません。ただし有害物質を含むという危険性がある産廃であるため、④特定有害産業廃棄物として扱われる可能性があります。

逆に有害物質等が入っていようがいまいが、燃焼性であると認められれば、「燃焼性の廃油」として特管産廃として扱うことになります。

② 腐食性の廃酸・廃アルカリ

特管産廃に該当する腐食性の廃酸・廃アルカリ(液体産廃)については、①燃焼性の廃油とは違い、判断指標となる数値が決められています。

腐食性の廃酸:水素イオン濃度指数(pH)が2.0以下
腐食性の廃アルカリ:pHが12.5以上

pHの値が上記に該当すれば、特管産廃の廃酸・廃アルカリ扱いとなります。①燃焼性の廃油同様、腐食性という観点のみで判断しますので、そのほかの要素はここでは用いられません。

従って、pHが2.0より大きい廃酸や、pHが12.5未満の廃アルカリであれば、この腐食性の廃酸・廃アルカリに該当しないと判断されます。ただし有害物質等が含まれている場合は、④特定有害産業廃棄物として扱われる可能性があります。

③ 感染性産業廃棄物

感染性産廃は医療機関等の特定の機関から生じ、人が感染もしくは感染するおそれのある病原体が含まれる・付着している(おそれのある)廃棄物を指します。

特定の機関とは、病院や診療所、衛生検査所、動物の診療施設など、該当の機関を具体的に定義しています。一方で感染のおそれのある廃棄物については、様々な対象・要因があるため、「形状の観点」「排出場所の観点」「感染症の種類の観点」から客観的・総括的に判断するとしています。

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